野遊 (のあそび)

    春日野の浅茅が上に思ふどち遊べるけふのひ忘らえめやも     『万葉集』 よみ人しらず


 遠く、万葉の昔から、人々は野に山に出掛け、春の若草、爛漫の桜花を楽しんできたのでしょう。

 時に、動乱の世にあってさえも、美しい自然の光景は人々の癒しとなり、潤いを与えてきたに相違ありません。

 冬枯れの野にも、新たな芽吹きの春は間違いなくやってくるのだと、明るい希望を与えてくれます。

 永年の道友が目にすることなく逝った、この一期一会の春を

 ひとつ、大きな息を吸って、味わいたいと思います。

 

 

TOPへ

次へ