大きなザックを背負った青年は足早に登って行きます。赤岳あたりまで縦走するのでしょうか? 軽装の若いカップルの 姿もしばらくすると見えなくなってしまいました。少し心細くなってきました。「ヒグマが目撃されています。」という登山口の 立て看板が脳裏をよぎります。そんな私を励ましてくれるかのように、時折、鮮やかなコヒオドシチョウやエゾシロチョウが 飛び交います。そして、足下のヤマハハコ、オトギリソウ、ウメバチソウ、ダイセツトリカブトの花々に、心慰められつつ 登ってゆきます。