2021.5.3

越知山

二日間降り続いた雨がやんで晴れ間が覗いた3日、越前町の花立峠から越知山(613m)へ向かいました。
雨を含んだ落ち葉の感触が、しっとり柔らかい山道です。樹間を渡る風はひんやり冷たく、少し肌寒いほど。

ブナ林を抜けて途中、展望台に上ると、濃く淡く、緑は一段と瑞々しさを増して、この時期ならではの
清々しい満目の青山が広がっていました。
霞んではいるものの、日本海から、白山、日野山、文殊山、足羽山、丹生山地・・、360度の展望です。

泰澄大師、北陸最古の修験霊場とされる越知山。 古木そのままの鳥居を潜ると越知神社に着きました。

この越知山には縄文、弥生時代の出土品があり、歴史は古く、泰澄大師以前から信仰されていた山とのこと。
越知山の「ヲチ」は日本の古い言葉で「若返る」という意味。万葉集には音読みで「越知」、訓読みで「変若」の
文字があてられており、また、伝統的な若返りの水を「ヲチ水」と言い、万葉集では「越水」「変水」と記されている由。
古くから、人々は若返りの水が湧き出るこの山に、神秘的な霊気を感じとっていたのでしょう。

室堂に立つ周囲8メートル、樹齢1000年、泰澄大師お手植えと伝わる栃のご神木が不動の趣です。

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